天皇制廃止では日本は良くならない
前日の日記で天皇制に対して批判めいたことを書いた。
いわく、「天皇制はトップが責任をとらないという日本社会の特質の典型だ」と。
しかしこれは事実を述べているだけであって、別に天皇制を批判しているわけではない。
いや、むしろ私は天皇制維持論者である。
天皇制を廃止したところで日本社会は良くならないと考えている。
むしろ天皇制を廃止したら日本社会はもっと悪くなる可能性があると考えている。
例えば、今もし天皇制を廃止したら、天皇の代わりに誰がその位置につくだろうか?
菅首相に跡を譲った安倍前首相?菅首相を後ろで操る二階幹事長?それとも菅首相が天皇の地位も兼務する?
いずれにせよ現在よりも絶望的な状態になることは避けられない。
天皇という一種現人神的な権威に国民が依存しているかぎり、天皇制を廃止したところで必ずそれに代わる何らかの存在が必要になるであろう。
天皇の代わりにどこの馬の骨かわからない怪しげな人間が国家統合の象徴になるくらいなら、まだブランド価値のある氏素性のはっきりした天皇の方がいいと思う。
国民がそもそも天皇制のような宗教がかった権威に頼らなくなるのが一番いいのであろうが、私はそれは絶望的だと思っている。日本国民は永遠にそのレベルには達しないだろう。
したがって、古代から国民情緒がほとんど発達していない日本国民には天皇制という古臭いシステムがお似合いなのであり、無理に変えようとする余計におかしなことになるだろう。
ヒトラーという独裁者は、ドイツ帝国が崩壊して皇帝という権威がいなくなったために誕生したのである。