大統領を逮捕できる韓国、首相を逮捕できない日本
「韓国では大統領が辞めるといつも悲惨な末路となる」と日本人はよく言う。
その発言の裏には「だから韓国は怖い」とか「だから韓国の政治は野蛮だ」という本音が隠されている。
いずれにせよ、日本を韓国より優位に置きたい人々がこの発言をよくする。
たしかに韓国は大統領が辞任した後に報復を受ける例が多い。
日本とは大違いだ。
そう、今の日本は自民党の首相ならば絶対に逮捕されないからだ。
安倍晋三はもりかけ、桜、河井夫妻など昔の自民党なら逮捕されてもおかしくない案件が山ほどありながら結局逮捕されていない。
日本では検察と自民党が馴れ合っており、権力の分立が機能していないからだ。
民主主義の基本は権力の分立である。
野党と与党、行政権と司法権の分離など、中央政府と地方自治体の権力の分立など。
民主主義は基本的に人間の善意を信用しないシステムである。
だから個人に権力を集中させないようにし、国家の各権力が相互に牽制・対立することで、国民がそのキャスティングボートを握れるようにしているシステムである。
「権力の分立の中から自由が生まれる」というのは明治初期に福沢諭吉がすでに見抜いていたことであるが、今の多くの日本人はこれを理解していない。
国民に選ばれた政治家は無制限の権力を握ってもよいと考えている日本国民が多すぎる。
それはただの扇動政治家による独裁政治であり、紀元前4世紀のアテネの衆愚政治と変わらない。
今の日本の政治レベルは古代アテネの民主制とあまり変わらない。
アテネが衆愚政治によって没落したように、日本も没落を余儀なくされるだろう。
日本のネトウヨどもが、「ムンジェインの支持率が下がっている」と嬉々として騒いでいたりするが、それは韓国においてムンジェインに代わる別の政治家がいるということであり、どれだけ支持率が下がっても代わりが見つからない日本の絶望的な状況より韓国の方がまだマシであることを示しているにすぎない。
韓国人は自分たちの生活のために大統領を「使おう」とする。だから、必要なくなったら容赦なく引きずりおろす。
それに対して日本人は「他に選択肢が無いから」とかいう舐めた理由で自民党政治家を選び続ける。そのために自民党政治家による不正・汚職が常態化する。
日韓の民主主義システムは、果たしてどちらがうまく機能しているのだろうか?