そして、「日本」という牢獄が出来上がる
日本は海という天然の堀に囲まれた城のような国である。
海という天然の堀があったから、太平洋戦争でアメリカに負けるまでの間、
金甌無欠(今までに一度も外国に征服されなかったということ)を保ち続けることができた。
特に13世紀の元寇を防ぐことができたのは、海の存在を抜きにしては語れない。
「馬」というモンゴル帝国最強の武器を使えなくさせたのだから。
日本を取り囲む海は外からの侵略という視点から見れば日本を守る強固な堀である。
しかし、逆に日本から脱出しようと考えた時には脱出不可能な「檻」となる。
日本社会の絶望的な点は、そこからの脱出の難易度が極めて高いという事である。
そして多くの日本国民はそもそも脱出の必要性や実現可能性自体を考えたことすらない。
この日本という社会で生きにくい人間に逃げ場は無い。
逃げ場はおそらく自殺か現実逃避だけであり、
漫画やアニメやゲームなどのいわゆる二次元コンテンツが日本で目覚ましい発展をしたのも、
現実逃避をしなければ生きていけないほど日本人に現実的な逃げ場がなかったためだろう。
コロナ禍の中で外国人の入国をすべて禁止しろという意見が大きくなってきている。
しかし、日本が外国人の入国を禁止するという事は、逆に日本人の出国も禁止されるということであろう。
そうすると、日本人が外国に出ることは不可能になる。
海で囲まれた日本人には泳いで密出国することも現実的には不可能に近い。
もし外国人の入国をすべて禁止すれば、日本人の出国も禁止され、
日本という名の脱出不可能な牢獄が完成する。
これまでわずかばかり開いていた外国という脱出口さえ閉じられてしまう。
純粋な難易度で言えば、日本人が密出国をするのは北朝鮮人民が脱北するよりも難しい。(北朝鮮と中国の間の国境は事実上陸続きなので物理的に国境を越えること自体は難しくない。捕まった時のリスクが大きいだけである)
北朝鮮以上の牢獄国家が、東アジアに誕生する日はあと少しである。