物乞いや物売りが現れた
先日、町をぶらぶら歩いていたら、留学生の物売りがお菓子を売りつけてきた。
コロナ禍で大学をやめざるを得なくなり、生活が苦しいのでお菓子を買って支援してください、ということだった。
私は何も言わずにお菓子を買った。
買った後になって後悔した。
何故、お菓子を受け取ってしまったのか、と。
何故、もっとお金を出してあげなかったのか、と。
その留学生が本当に生活に困窮しているのかを確かめる術はない。
騙されている可能性は十分にある。
しかし、本当に騙して稼ぐ気ならばお菓子の物売りなど効率が悪すぎる。
普通にバイトした方がはるかに稼げるだろう。
しかし、それにもかかわらず物売りをするのは何故か?
日本語がロクに話せない留学生では雇ってもらえないから。
もしくはビザの関係で就労が認められていないから。
大方、そんなところだろう。
そしてコロナ禍に伴う外国人の出入禁止措置のために帰国もできない。
ならば、少しでも生活費の足しにするために物売りを選んでもおかしくはない。
私が同じ立場だったらよっぽど困窮しない限り物売りなどしたいと思わない。
声をかけても買ってくれる人などほとんどいないであろうし。
冷たい視線や心無い罵倒を受けることだってあるだろう。
寒風吹きすさぶ中物売りを続けていたあの留学生は今頃何をしているのだろう。
私が物売りから物を買ったのは、東南アジアで物売りの子どもからポストカードを買って以来である。
コロナ禍で職と住居を失った人が物乞いをしているというニュースを見た。
「乞食がいない国」と言われていた日本に再び乞食が登場した。
東南アジアのように街頭での物売りがまた現れた。
日本はまたかつての貧しい時代を取り戻そうとしている。
自民党が言っていた「日本を取り戻す」とはこういうことだったのか、と思う。